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ナレーション:君島 のぞみ
人類における油脂の使用は動物脂を燈火に使用したのが始まりであったと言われています。後期旧石器時代のクロマニョン人は動物脂に火をつける石製のランプで洞窟の闇を照らしてラスコーの壁画を描いたと言われています。
植物油のうち最も古くから人類に利用されていたのはオリーブオイルとごま油であると言われています。7~8000年前の西アジア(トルコ南部)を起源として栽培が始まり、6000年前のクレタ、キプロス、シリアで盛んにオリーブオイルが生産されていた記録があります。
油は英語でOilですが、その語源はラテン語の油およびオリーブ油を意味するoleumとギリシャ語でオリーブの木を意味するelaionです。一方、漢字の油の起源はさんずいの液体と底の深い油壺の象形文字である「由」の会意形声文字で、壺からゆっくり出る液体つまり油を意味しています。
日本では食用の油としては奈良時代、寺院で精進料理に油で揚げた食物を加えるようになったのがはじまりであると言われています。
日本における植物油製造の起源は西暦211年とされており、以降製油原料のバリエーションも徐々に増えていきました。搾油機の動力源が人力から水車あるいは畜力といった若干の変遷はあったものの、製油機械の性能は近代まで大きな向上はみられませんでした。
明治以降に水圧機が輸入されることにより、搾油機の動力源として使用されることで製油効率が飛躍的に向上し、また圧搾機の生産性も向上することで油脂の製造規模は飛躍的に増大しました。昭和30年代以降の種々の合理化設備の設置により近代製油産業は大きく進歩しました。
食用油脂は動物性と植物性に分けられます。動物性は狩猟時代から直接摂取する形が取られていましたが、植物性については搾油技術が必要でした。搾油技術が確立されてヨーロッパ圏ではオリーブ、アジア圏ではごまから油分を取り出す方法から進歩してきました。
現在では、家庭用油として一般的な大豆、菜種に始まり、ひまわり、綿実、落花生、とうもろこし、パーム、やし、アマニ、ひましなど、多様な油が世界中で使用されています。
また最近では体に生理的機能をもたらす機能性油脂が発見、開発され、更なる多様性をもたらしています。そしてマーガリンはこれらの油を用途に合わせて自由に選んで調合できます。
マリンフードの始まりは、1888年(明治21年)に東京牛込で創業した石鹸工場です。創業者の吉村又作は、長崎の長州藩邸に勤める御用達(藩邸の御用商人)の三男として生まれ、長崎や中国の上海などで化学技術を学びました。その後、上京して独立し、吉村石鹸(せっけん)工場を設立しました。
又作は、技術の向上に執念を燃やしました。米国宣教師のスタウト、上海初代総領事の品川忠道、東京大学教授の山岡次郎氏や日本の工業化学の元老、高松豊吉博士などに知遇を得たことでその情熱を支え、全国の織物産地の舶来万能の固定観念を打破し、当時人気のフランス製のマルセール石鹸は不必要になり、急速に輸入終息に向かったのでした。
1898年(明治31年)第七回内国国益博覧会で金賞、1903年(明治36年)第五回内国勧業博覧会で二等賞、1905年(明治38年)日露戦争凱旋記念内国生産品博覧会で金賞銀賞、1912年(明治45年)東京府知事より桐花御紋木杯を下賜、1914年(大正3年)東京大正博覧会で銀賞、1917年(大正6年)第一回化学工業博覧会で金賞など各種博覧会、展覧会などに出れば必ず受賞し、国内各機業地でその名を知らない者はないほどでした。
又作の五男栄吉は、1948年(昭和23年)に石鹸同様に油を使うマーガリンの製造を始め、その2年後には『ミルクマリン』のブランドで販売も開始しました。当時、マーガリンの製造は利益が少なく、製造をやめる話が出ていましたが、1957年(昭和32年)4月1日にミルクマリンは吉村油化学より独立し、マーガリンの製造を継続しました。
ミルクマリン設立当初の社員数は約50名でした。新工場はまだ姿もなく、油化学の工場内で間借りしながら、株主様への説明会や、資金繰り、そして不動産屋さんと土地の物色など、毎日足が棒になるまで歩き廻りました。ここから故吉村百合子会長の思い出話です。
『今の豊南町の土地を見た時、社長は一も二もなくこの土地に決めました。ここなら油化学で働いてくれている女の人達が、歩いて通勤出来ると考えたからです。
決定からの行動は猛スピードでした。4月会社設立、5月土地購入、8月工場完成で生産体制も出来上がりました。同時に私達の自宅も、三国から新工場内に家を建てて引っ越しました。(結局私たちは工場内の自宅で八年間暮らすことになりました。現在のホットケーキ工場の辺りです。)営業以外の人達は全員真っ黒になり、油だらけになって昼夜を問わず、自分達で出来る事は全て会社のために頑張って完成した工場でした。
9月27日に落成式が取りおこなわれ、本当に沢山の方々に出席をいただき、各業界来賓の方より身にあまる祝詞を頂き、社長始め社員一同の笑顔を見た時は、まるで夢を見ている様でした。』
1967年(昭和42年)にミルクマリン㈱からマリンフード㈱に社名を変更しました。1948年(昭和23年)にマーガリン事業を立ち上げ、時代の需要に応じて業務用・家庭用と様々な形態ラインナップを発売しました。現在では小型カップ、ボトル、チューブ、キャラメル、カルトン、小袋、ポーション、ポンド、業務用カップ、8kg缶、業務用ダンボールなど幅広い容量に対応しています。
事業スタート当時はほとんど業務用商品に特化していたと言えます。その中でも当社は小容量の小型形態品に力を入れ、学校給食向けの小袋形態は当時から生産量としては全国トップシェアとなり、ポーション商品は(株)日本食糧新聞業務用加工食品ヒット賞も受賞いたしました。
近年では家庭用商品として小型カップでマーガリンに様々な具材を混ぜ合わせた色物マーガリン開発に重点をおき、お客様にも広くご利用いただいています。
【特徴】
おろしにんにく、にんにくパウダー、にんにくオイルと13%以上のにんにく素材を配合し、パセリ、赤ピーマン、チーズなどコクと彩りを兼ね備えたまさにガーリック好きのためのマーガリンです。
【開発エピソード】
開発は1995年。全国のステーキハウスからばらばらな要望として頂き、それらを統一いたしました。とにかくガーリックの強さを求めて改良を重ねて発売に至り、発売してすぐに市場に浸透、販売店から感謝の言葉をいただきました。そんなガーリック好きのためのガーリックマーガリンは今やナンバーワンの商品に。
【特徴】
つぶつぶたらこの食感を再現するために乾燥させたたらこを特殊な製法で粒状に仕上げ、それをたっぷり混ぜ込んだ商品です。香ばしいバター風味が一層おいしさを際立てています。
【開発エピソード】
たらこパスタを作っている時、たらことバターが一緒になっていたらもっと簡単にパスタができるのでは?と思いついたのが開発の始まり。つぶつぶ食感を出すために、特殊な製法にたどり着いて発売に至りました。OKがでるまでほぼ一年が経過しています。涙なくしては語り尽くせません。
マーガリンの用途はパンだけではないというコンセプトを持ち、幅広い料理に使えるこの商品はパンにぬって焼くだけでなく、パスタやサラダに混ぜ込んでたらこ味を再現してくれます。
【特徴】
バター入りマーガリンにエシャロット、マスタード、にんにく、アンチョビ、パセリ、タラゴン、ブラックペッパーと複数のスパイスをブレンドしており、これだけでフランス料理の味わいが再現できる自信の商品です。
【開発エピソード】
帝国ホテルの総料理長だった故村上信夫シェフが書かれた日経新聞の「私の履歴書」から開発がスタートいたしました。苦心作です。ブールコンポーゼというソースを再現しようと、開発者はフレンチソースを研究し、独自のアレンジを加えてオリジナルレシピを完成させました。旧名は「ブールコンポーゼ・ド・パリ」でした。
ガーリックマーガリンは当社の看板商品的存在ですが、食べ比べるとこっちの方がおいしいというお客様も後を絶ちません。過去にはモンドセレクション最高金賞を受賞しました。
【特徴】
マーガリンをベースに牛乳、卵を配合した甘いタイプのスプレッドです。用途はフレンチトーストがメインとなりますが、カスタード風味のスプレッドとしてパンに、お菓子にご利用いただけます。
【開発エピソード】
映画「クレイマー・クレイマー」から開発のヒントを頂きました。ダスティン・ホフマン演ずるテッド・クレイマーの毎朝苦労しながらフレンチトーストを作る姿があまりにほほえましかったのがきっかけです。
フレンチトーストをこよなく愛する開発担当者が、塗るだけで簡単にフレンチトーストが焼けるスプレッドを作りたいと思ったことが開発の始まり。ホテルや人気店のフレンチトーストを食べ歩き、試行錯誤の末に築きあげた商品です。
【特徴】
バター入りマーガリンにはちみつ、レモン果汁などを配合した相性抜群のはちみつレモン風味の甘いタイプのスプレッドです。また、ザラメ砂糖を後から混ぜ込みザクザク食感も同時に楽しめる商品です。子供のころ、トーストにマーガリンを塗り、砂糖を振りかけたあの感触を再現してみました。
【開発エピソード】
甘くさわやかな風味だけでなく、食感にもひと工夫こらしたいと考えた開発者。これが苦難の道をたどる始まりでした。ザラメ砂糖は金属の鉛より硬い物質で工場の機械に通すと金属に傷をつけてしまうという加工困難な代物でした。ここでザラメ砂糖をあきらめるのではなく、機械をより強靭にすればできるだろうという選択をした結果できたのがこの商品です。
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