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食品新聞 2024年7月26日(金)
元気で明るくピカピカ工場
若手が多いのが強み
長浜工場と松田工場長
マリンフードの年商は362億円で、うち8割をチーズ類が占める。そのチーズ類の主力工場が滋賀県長浜市の長浜工場。地理的に日本の中央付近に位置し、東西への物流にも優位性がある拠点だ。長浜工場長の松田竹志常務は目指す姿に「元気で明るくピカピカな工場」を掲げ、強みは「若手が多い」「当社独自商品(スティリーノなど)の生産品目が多彩」「小回りが利く」を挙げる。
同社の工場は、本社工場(大阪府豊中市)、泉大津工場(同泉大津市)、長浜工場、埼玉工場(埼玉県狭山市)の4工場あり、長浜工場は同社3つ目の工場として2012年に稼働した。14年にFSSC22000を取得。大手量販との取り組みも増え、現在はチーズ類のシュレッド・スライス・ベビーの「長浜工場3本柱」を中心にバター、ストリング、ヴィーガンタイプなど18ラインが稼働している。生産量は23年度で1万1千tと、稼働11年で3.7倍に拡大。現在は、生産品目の他工場への振り分けで平準化を図り、現在は平日3直交代で、基本的には土日休みの体制を構築している。
同社の製品は量販などのPBが約8割を占めているのも特徴。新商品はNB・PBで年間200品強を開発する。強みの「小回り」を活かし、特に原料高騰下のここ数年は製品の量目変更なども多かったが、以前から取り組む得意先の工場訪問での活発な意見交換と、各部門との連携で新たな商品を生み出している。
特に原材料高騰下で強みを発揮し、売上が伸長しているのが同社の独自商品「スティリーノ」だ。乳脂肪の代わりに植物油脂を使用したチーズ代替品で、①冷めても柔らかい②リーズナブル③コレステロール大幅カットの3つの特徴から支持が拡大している。今年で発売18年目の同商品は味の面でも進化を続け、代替チーズの生産量は業界トップ。今年はさらに増える見込み。7割が本社工場、3割を長浜工場で生産する。ナチュラルチーズとブレンドした「チーズブレンド」も好評を得ている。
また、同社のベビーチーズは長浜工場で作られる。5ラインを擁し、1袋4個入の一般的な商品から、カートン入りも製造できるのが特徴だ。
月2回開催する改善プロジェクトは「若手からも多くの意見が出る」と成果と手応えを話す。各部門挙げて得意先の様々な依頼に対応し、信頼を積み重ねている。
【取材後記】工場内を訪問すると、松田工場長の言葉通り作業される方は若い方々が多い印象で、工場見学者にも元気よくあいさつをされる。非常に活気がある工場だと思った。同社には里親里子制度がある。新入社員(里子)1人に先輩社員(里親)が1人付き、1年間サポートする。仕事以外では里親里子で行うBBQなどのリクリエーションも盛んで、そのBBQの笑顔の写真を拝見すると、普段の勤務中の笑顔も想像できた。