マリンフードは、強化販売しているプラントベースフードブランド「スティリーノ」が数量、金額ともに二ケタ増（23年1月～11月前年同期比）と好調に推移している。チーズ原料の価格高騰で、チーズ業界には他の食品業界から代替チーズでの参入がここ数年目立つが、2007年発売の「スティリーノ」が、味、価格、品質で高い評価を得ている。
　スティリーノブランドは販売実績16年間かけ改良を重ねている。近年では、1年の開発期間を費やし23年春に投入した「コレステロール98％オフ」が大きく伸長。業務用で主力の「コレステロール98％オフヘルシーシュレッド1kg」は、スティリーノの特徴である「冷めても柔らかい」ことと、従来品からコレステロール値をさらにカットし、さらに風味向上効果などで、ナチュラル品など他品からの切り替えもあるものの、それを上回る新規採用で既存の95％と97％の合算値比2倍強に売上が拡大している。外食など業務用市場の回復も後押しした。
　その他では、「スティリーノブロック」は、大手外食企業や大手冷食メーカーなどへの新規採用で売上が2倍強に拡大。ナチュラルチーズをブレンドした「ゴーダチーズブレンド1kg」も同2倍強で推移している。
　こういった状況下、23年は設備投資も積極的に実施。市場の大きい関東向けに、埼玉工場のシュレッドラインを増強。1月の2号ラインに続き、6月に3号ラインを新設。一方、ベビーチーズもさらなる拡大を見据え、11月に長浜工場（滋賀県）にベビーチーズ5号ラインを新設し順調に稼働している。
　同社は売上高の8割がチーズ・チーズ類部門。同部門の1～11月販売実績は、価格改定の影響で数量減だが、金額ベースでプラス。全般的に業務用が回復し、商品別では外食全般にシュレッドが、串揚げ業態などにストリングの販売が好調に推移している。