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新聞 日本食糧新聞 2020年6月29日(月)

「スティリーノ」家庭用がヒット伸びる植物性チーズ発売

【関西】約40年前、乳原料高騰にあえいだ乳業市場では多くの植物性チーズが登場した。その後、乳原料暴落で各社は投入に消極的になった歴史がある。その中でマリンフードは開発を継続。2007年には、同社を代表する商品の一つ「スティリーノ」を生み出した。20年春夏にはチーズ特有の伸びを本格再現した新商品を発表。「スティリーノの一つの答えを示すことができた」と語る吉村直樹取締役社長に話を聞いた。

原材料高騰への戦略
 当社の植物性チーズ開発の歴史は37年前の「ノンコレ」に始まった。決して納得できる品質ではなかったが、乳原料高騰に左右されない"死に物狂い"の戦略商品として、苦労を重ねて開発した。さらに開発を進めて07年に発表した「スティリーノ」は業務用での評価が高く、乳原料が暴落したからと市場から撤退させるのは悔しかった。
 将来性の高い同品を意地でも残そうと、家庭用にコレステロール95%オフという切り口でシュレッドを売り出したところ、想定以上にヒット。スライスや、ナチュラルチーズ(NC)をブレンドした商品なども加えてブランドを育て、度重なる乳原料高騰と低価格志向に対応した。今や家庭用販促が7割で、ピンチをチャンスに変え、同ブランドは売り上げ構成比10%を占めるまでに成長した。これはマーガリン部門の構成比に匹敵する。

新商品、NCの伸び実現
 今期春夏新商品の「コレステロール95%オフ 私のモッツァリーノシュレッド300g」はブランドで一つの答えを示す自信作だ。まだ若い女性研究員が苦しみながら試作を重ねて、世界初の"伸びる植物性チーズ"の開発に成功した。同品は代替素材100%使用しながら、加熱することでモッツァレラと同等レベルの伸びを再現。さらに、一度冷めた後でも再加熱すると再び伸びる、NCにない特徴を備えている。業務用での「NCでなくては」という固定概念を打ち破り、宅配ピザや外食の需要も獲得したい。

菜食主義や乳糖不耐にも対応
 このほか植物用チーズでは、ヴィーガン対応の「私のヴィーガン97%植物シュレッド200g」がある。レンネットカゼインを使用せず、100%植物由来の原料で作り上げた。植物アレルギー特定原材料等28品目不使用で、アレルギーを持つ子どもの親から評価が高く、多数の感謝の声が届く。まだ売り上げに貢献するものではないが、必要性を実感している。さらに、豆乳を主原料とした代替チーズを新たに開発。乳糖不耐の人に向けて発信していく。
 これら植物性チーズの市場は近い将来に向けて、大きな可能性を秘めている。味や食感、健康効果、性質などを訴求続け、家庭用のみならず、業務用にもさらなる拡大を図る。

ヴィーガン