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パブリシティ

雑誌 月間「油脂」2020年6月号

チーズ類の拡充進めるマリンフード
油脂関連ではラードを使った新たな旨味調味油


〇関東初の生産拠点、既存工場の能力増強も
マリンフードの売上高は昨年度(2019年12月期)252億9,684万円(前年比12.9%増)となり、2年連続過去最高を更新した。年間を通じてバター製品の販売増が続き、売上構成比ではバターの11.9%がマーガリンの10.5%を上回った。チーズ類ではプロセスチーズが好調で、昨年8月にスライスチーズライン2号機を導入した。チーズ類の売上構成比は73.1%に達している。また、今年の3月には全国酪農業協同組合連合会狭山工場におけるチーズ事業を譲受することが合意に至り、本社工場、泉大津工場、長浜工場に次ぐ第四工場を初めて関東エリアで稼働することになる。さらに長浜工場には4号ベビーチーズラインを8月に導入する予定となっている。

〇冷めた後も再加熱で伸びる新チーズ代替品
好調なチーズ類では今年3月上旬から、新たに「コレステロール95%オフ私のモッツァリーノシュレッド300g」を順次発売開始した。同社は2007年より植物油脂を主要原料としたチーズ代替品「スティリーノ」を製造している。スティリーノはチーズよりも安価で、冷めても柔らかいという特徴を持つ一方、モッツァレラチーズ等に見られるような"伸び"はなかった。しかし今までのスティリーノにない"捏ねる"工程を加えるなど試行錯誤を重ね、よく加熱することで伸び、さらに一度冷めた後も再加熱することで再度伸びが見られる「コレステロール95%オフ私のモッツァリーノシュレッド300g」の開発に成功した。配合面からもより伸びるように工夫をしており、生乳から作られる捏ね工程もある既存品のナチュラルモッツァレラチーズ「かけるモッツァレラ180g」と同等かそれ以上の伸びを実現している。
「コレステロール95%オフ私のモッツァリーノシュレッド300g」が再加熱時に再度伸びる要因はいくつか考えられるが、スティリーノが冷めても柔らかいのは植物性油脂を使用しているからであり、再加熱時に生地の中に存在している植物性油脂のおかげで再度伸びるようになるというのも一つの要因と考えられている。

〇ヴィーガンシュレッドをリニューアル
また、アレルギー特定原材料28品目不使用、動物性原料不使用のチーズ代替品「私のヴィーガン97%植物シュレッド200g」を4月に発売した。既存品の「私のとろ~りとろけるヴィーガンシュレッド200g」をリニューアルしたもので、昨年9月の食品表示基準の改正により植物アレルギー特定原材料に準ずるものとしてアーモンドが追加されたことに対応するため配合の改良を行うとともに、商品名とデザインも一新した。既存品では風味素材としてアーモンドミルクを使用していた。新しくなった「私のヴィーガン97%植物シュレッド200g」はアレルギー特定原材料28品目不使用、動物性原料不使用であるため、植物アレルギーに悩む人やヴィーガン、ベジタリアンの人も食べられる。また、ゴーダチーズと比較してコレステロール99%以上カットしているため、コレステロールを気にする人にもおすすめだ。チーズの代わりに使用でき、ピザトーストやグラタンなど加熱料理など、家庭の料理に幅広く活用することができる。

〇チューブ入りの旨味調味油も
油脂関連では、家庭でも本格的な中華料理が楽しめる旨味調味油「中華の隠し味ラード大王 ごま油入り」を3月1日より新たに発売した。家庭で簡単に調理ができる、また、ひと手間でワンランクアップするといった商品は成長拡大し続けるカテゴリーだと同社は考えている。マーガリンメーカーとして朝食のトーストに塗るだけでなく、様々なシーンにも活躍する商品提案をし続けており、「中華の隠し味ラード大王 ごま油入り」もその延長線上の商品として開発したものだ。
「中華の隠し味ラード大王 ごま油入り」はラード、ごま油、ネギ油、にんにく、畜肉エキス、野菜エキスなど多くの旨味を配合している。絞って使えるボトルチューブ入りのため量を調節しやすく、市販のラーメンスープに少量加えたり、チャーハンや炒め物の味付けに使用しすることで、家庭でも簡単にプロも味を再現できる。
特に「こだわった点として、ラードを使用していることを同社は挙げている。ラードは様々な食品の旨味を引き立たせる優れた素材でプロの調理人は使いこなしているが、家庭料理の中にまで十分に認知され、頻繁に使われているとは言えない。そのラードに「脚光を当てようという意気込みが商品名にもあらわれている。
マリンフードは10年ほど前、チューブタイプの商品が認知され始めた頃に中華調味油として「ぎゅっと絞ってパラッとチャーハンの素」を販売していた。ラードを使用した商品だったが、そのラードが冷蔵庫での保管中に徐々に硬くなっていく性質から、使用時に硬くて絞りにくいという消費者の声もあった。「中華の隠し味ラード大王 ごま油入り」はこの課題をクリアするとともに、旨味成分の配合量をアップしており、チャーハンはもちろん中華料理を中心に様々な調理に使用できる商品になっている。
ラードを配合しつつ様々な原料を絶妙に混ぜ合わせた「中華の隠し味ラード大王 ごま油入り」は、マーガリンメーカーだからこその発想と言えるだろう。チャーハンの味付けやラーメンスープ、中華スープのコク出しのほか、同社のホームページでは、キュウリの浅漬けやエビチャーハン、いかのねぎあえ、清炒豆苗(チンチャオトウミョウ)、五目焼きそばなど「中華の隠し味ラード大王 ごま油入り」を使ったレシピを紹介している。