新聞
日本食糧新聞社 2015年1月31日(土)
"第3のチーズ"戦略で躍進
有力企業 次の一手 新春トップインタビュー
マリンフード株式会社
代表取締役
吉村 直樹社長
――スティリーノが好調と。
吉村 原料価格が大幅高騰した07年に、商品化に成功した。それまでの市場にも同様の商品はあったが、原料価格が下がり始めるととたんに姿を消していった。そこで原料価格が前年の2.5倍まで高騰して、値上げにも限度がある。このままでは倒産に追い込まれると、開発に本腰を入れた。研究室のチーズチームを中心に2週間に1回ミーティングを重ね苦心の末、6ヵ月で完成した。
――一気に市場に受け入れられた。
吉村 正直言って、当初は自信がなかったが、社内公募で良い名前を得たと思う。発売と同時に引き合いが多く寄せられた。価格面だけでなく、味や溶け具合などで一般的なシュレッドチーズと遜色なく、冷めても硬くならず、あっさりとした味わいで、チーズ嫌いにも受け入れられるなど、品質面でのメリットも大きかった。
――その後も売れ続ける。
吉村 原料価格が再度下げに転じた際、このままで終わらせるのは惜しいと、業務用中心の販売から家庭用に切り替えた。コレステロール低減を切り口にして、200g入りの小袋を発売したところ、予想以上に売れ、業務用の減少分をカバーするに至った。特に流通のPBや留め型で商品化が進み、そうするうちに再度、原料価格が上昇に転じた。一昨年のことだ。
――今度は、想定通りの数字が付いてきた。
吉村 ケース数単位で、14年12月期は前年比75.7%も拡大した。このけん引で、チーズ類全体では同17.3%増、総売上高でも同17.3%増と大幅に伸長した。
――戦略は。
吉村 単なるチーズ代替ではなく、NC・PCに次ぐ"第3のチーズ"としてのブランド戦略に乗り出した。これは、夏の幹部合宿で出てきた言葉で、認知度向上とブランド化を目指して活動し、食品展示会出展や外食でのメニュー展開、メディア連動などで、相乗効果を狙っている。