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日本食糧新聞臨時増刊「食は"いのち"と"こころ"の糧」 2015年9月30日(水)
スティリーノ躍進。燻製バター・チーズの新ジャンルにも挑戦
代表取締役
吉村 直樹社長
うち最も伸長しているチーズ事業は、今期(12月期決算)6月までで、金額ベースで前年比10.5%増、物量同7.2%増と好調。乳製品の需要拡大が見込めるアジア諸国を中心に、海外戦略にも積極的で、すでに台湾や香港、タイに向けて販売している。チーズに関して日本は後発国だが、PCの多様なフレーバー、アイテムで「欧米やオセアニア諸国製品と比較しても強みがある」と確信し、海外の食品展示会に出展しPRに努めるとともに、現地の食品企業や流通業と取り組み、規模拡大中だ。
スティリーノに関して、同社が07年、原料チーズの国際相場高騰に対応し独自開発したもので、今や末端商品ベースで年間生産量2,700t、金額で25億円商材に育成され、メディアや市場からチーズ代替というより、ナチュラル、プロセスチーズに次ぐ"第3のチーズ"と認識されている。
植物性油脂が価格変動を受けにくいため、一般的なチーズより安価で、乳製品価格高騰が急成長の要因だ。
加えて、味や溶け具合などでチーズと遜色ない上、冷めても軟らかく、チーズ嫌いでも受け入れやすく、需要の裾野が広い。特に一般的なチーズよりコレステロール値が低く、健康志向商品としてのポジションを確立。流通PBや留め型で配合比率「コレステロール○○%カット」と明記した商品が多数、売場に並んでいる。
加えて同社の、BtoCとBtoB、Webなど全方位型ブランド戦略や、地道な認識向上活動を継続させている。さらに年初、溶けやすさやヘルシーさでバージョンアップさせるなど、品質面での進化を続けている。
ミルクを食べる乳酪 私の燻製バター
だが同社は、バターが溶けず短時間で燻製する特別な方法を確立し、安定的に買い求めやすい価格で提供できる体制を整え、商品化に至った。この技術で今秋、「燻製チーズ」を追加した。