新聞
日食外食レストラン新聞 2009年9月7日記事
3割安のチーズ代替品
その製法は、チーズの主成分である乳脂肪分を植物油脂に置き換え、良質な乳タンパクを使用し乳化させ製造する。名称は社内公募の当選作で、ギリシャ語の「未来のチーズ」が命名由来だ。
マーガリンを中心とした油脂メーカーとして誕生した同社は、長年開発のテーマに「人工チーズ」を掲げてきた経緯がある。そこで昨今のチーズ原価高騰を受け一昨年後半に特別プロジェクトを編成し、開発を本格化、年末には製品化に至った。開発に当たっては、「チーズ同等の溶けの良さとおいしさ」にこだわったという。
ラインアップは、業務用(1kg)がシュレッドとダイスをそれぞれスティリーノ100%とチーズ50%配合タイプの合計4品、家庭用(70g)が50%配合のシュレッドタイプ。
急激な需要増に対応し昨年末、「ライトタイプ」として、スティリーノを70%配合した業務用(1kg)のシュレッドとダイス、家庭用(200g)シュレッドタイプを追加した。この場合、約5割コレステロールカットできる。
一方チーズ原料価格は、今年に入って一服感が出たものの、同品はさらに伸長を続けている。その要因として、同シリーズのチーズと遜色ない味わいや冷めても硬くならないなどのメリットが認知されてきたうえ、経済環境悪化から低価格志向を強めるマーケットに、引き続き歓迎されていることが挙げられる。
今後、スティリーノがチーズ需要のどの程度を占めるかは、あくまで原料価格に左右されるのも事実だ。だが、欧米諸国では植物性チーズの健康性が受け入れられ、一定の市場が育成されていることから、同品のあっさりした味わいやコレステロールが低いことを付加価値につなげる地道な努力を通じて、間違いなく拡大が見込まれている。