マリンフード株式会社 取締役社長 吉村直樹
創立者の亡き父は、父の兄が創業しました吉村油化学に戦前より専務として勤務しておりました。そこで戦後まもなくマーガリン製造ビジネスを立ち上げ、そして昭和32年3月に独立をいたしました。
設立時から10年程工場の中に自宅があり、朝晩工場内敷地に並んだドラム缶の上で遊んだり野球をしておりました。今日は母の会長も出席しておりますが86 歳になります。当時母は30歳台後半と若く、創業期の熱気に溢れた飲み会をよく自宅で開催し、もてなしておりました。
父の父、私の祖父は長崎の人でしたが、東京に出て吉村又作石鹸工場を明治21年に31才で創業しました。それから数えますと今年は創業119年で私は3代目になります。
昨年の箱根駅伝で、有力チームの選手が走行中に脱水症状で意識朦朧となり、それでもよろよろと走り続け、次の選手に襷を渡しました。解説者が、マラソンなら間違いなく棄権してますね、と言っていたのが印象的でした。この数年、私は自分が駅伝の襷ランナーだとの思いが強くなっています。
ランナーですから当然区間記録に挑戦したいし、一つでも二つでも順位を上げたい。しかし最後のところは、とにかく何がなんでも次のランナーに襷を渡したい。それが私に課せられた最大の任務であろう。
さて、簡単に昨年の業績にふれておきたいと思います。
主柱のマーガリン事業は、家庭用PB品が堅調で前年比104.1%、今や売上げでマーガリンを大きく越えたチーズ事業は、工業原料用や家庭用PB品が好調で、値上げなどもあり、金額で前年比114.3%、物量で108.6%、3本目の柱のホットケーキはレストランの指定配合品が順調で107.7%などがあり、総計107.2%で総売上高86億円でした。また利益も相応に伸ばすことが出来ました。この場をかりて皆様方のご協力に心から感謝させて頂きたいと思います。
しかし、目を足元に転じますと、逆風難題が山積で、今日も昼から今年の事業方針を社員諸君に周知いたしましたが、前期の利益を維持するのは至難です。改めまして皆様方のご協力ご支援をお願いする次第であります。
本年度の標語は「火の鳥」です。一昨年の「風に立つ獅子」、昨年の「ディープインパクト」に続く生き物3部作の完結編となります。
中国では鳳凰、ヨーロッパではフェニックス、そして日本では不死鳥。その生き血を飲めば死なないと言う火の鳥を抱いて今年一年を走り続けます。