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#42 プロセスチーズの化学

研究部Bチーム | 更新日:2010.09.09

 ナチュラルチーズ中のカゼインタンパク質はカルシウムを多量に含み、不溶性で、網目構造を作っています。水分、脂肪分はこの網目構造の中に入り組んでいます。このままチーズを加熱、攪拌すると、チーズは溶けますが、水と脂肪分が分離するだけで、均一に混ざりません。そこでリン酸塩、クエン酸塩等の溶融塩を添加し、加熱、攪拌を行います。するとカルシウムイオンとナトリウムイオンの交換が始まります。カゼイン中のカルシウムと溶融塩中のナトリウムが入れ替わることにより、タンパク質の網目構造がくずれ、水溶性となり、その結果、水、脂肪、タンパク質が均一に混ざり合うことができます。
このような基本を元に、製造条件に工夫をしたり、溶融塩を使い分けたりして、マリンフードでは様々なタイプのプロセスチーズを作っています。例えば、とろけるタイプのプロセスチーズ、逆に耐熱性を持ったプロセスチーズなどがあります。マリンフードのプロセスチーズは業務用商品が多いので、皆様にも知らない間に食べて頂いているかもしれません。

<溶融塩の作用によるカゼインの分散>
網目構造(左)が溶融塩によりイオン交換され、網目構造がくずれ(右)、可溶化した。

fig.1
fig.2fig.3