#14 マーガリン類の分類

研究部部長 川村敏美 | 更新日:2005.02.01

2005年
第14回「マーガリン類の分類」


イメージ  第8回コラム『マーガリンってなに?』の中で、「バター」と「マーガリン」の違いについてご紹介しました。今回は「マーガリン」についてもう少し詳しく見てみましょう。
 日本農林規格(JAS)において、マーガリン類は「マーガリン」と「ファットスプレッド」の大きく2つに分類されています。みなさんが朝食のトーストに塗って食べていたり、スーパーなどのマーガリン陳列コーナーで普段よく見かけるものの中には、実はマーガリンではないものが意外にたくさんあります。
 両者の分類についてはいろいろ細かく規定されていますが、主にその構成栄養成分(とくに脂質)のバランスが異なります。どちらが良い・悪いということはありませんが、「バター」の組成により近いのは「マーガリン」で、全体の約80%が油脂で構成されています。これに対し、「ファットスプレッド」は油脂分が少なく、水分が多くなっています。市販されているファットスプレッドには「油脂含有率○%」という表示がありますので、参考にされるといいかもしれません。最近では、極端に油脂分を減らしてヘルシーなイメージを特長にした商品も多く見かけられるようになりました。
 一年を通じてあまり硬さの変わらないバターは、夏はやわらかすぎ、逆に冬はかたすぎて使いにくい、といった欠点がありますが、マーガリン類は主成分である油脂の配合を調整することによっていつでも使いやすい硬さに仕上げることが可能です。また、バターをブレンドしたり乳製品を補ったりすることにより、バターに匹敵する風味をもったマーガリンも数多く見られます。
 一口に"マーガリン"と言ってもその種類、味、使い方はいろいろ。みなさんのお気に入りの商品を見つけてトーストにはもちろん、お料理やお菓子作りの時にも愛用してくださいね。