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#7 チーズの栄養~チーズに秘められたパワー~

研究部Bチーム | 更新日:2001.03.01

2001年
第7回「チーズの栄養」 ~チーズに秘められたパワー~

チーズパワー
(1)チーズは栄養バランスのとれた完全食品
(2)抜群のカルシウム吸収力
(3)牛乳が苦手なひとも大丈夫
(4)育ち盛りのお子様、妊婦さん、高齢者の栄養補給にも最適
(5)世界No.1フランスの消費量は日本の10倍以上

チーズは栄養バランスのとれた完全食品
 乳は生まれたばかりの赤ちゃんに必要なすべての栄養素を含んだ完全食品です。その乳からさらに水分をとり、固め又はそれを発酵させたものがナチュラルチーズです。乳100gから約10gのチーズが作られます。チーズは乳の美味しさ・栄養を約10分の1に濃縮したものと言ってよいでしょう。 ではチーズの優れた栄養素についてそれぞれみていきましょう。

●タンパク質●
 タンパク質はアミノ酸がつながってできています。アミノ酸は約20種類有り、その内人間が体内で合成することができず、食品から摂取しなければならない8種類のものは「必須アミノ酸」と呼ばれています。チーズにはこの8種類のアミノ酸がなんと全部含まれています!しかも、熟成中にタンパク質が細かく分解されているため、消化吸収が大変良く、吸収率はほぼ100%に達すると言われています。

●脂肪●
 チーズの脂肪は胃の壁に膜を作り、アルコールの吸収を和らげる効果があります。また他の脂肪に比べ消化吸収されやすいのも特徴のひとつです。だからチーズはお酒のお供にも最適です。

●ビタミン●
 チーズにはビタミンAとビタミンB2が多く含まれています。Aは体に抵抗力をつけ、皮膚や粘膜を健康に保つ働きがあり、またB2は体内の脂肪を分解し燃焼させ、身体の成長や疲労回復に欠かせないビタミンです。この2つのビタミンは体内で作ることができないのでチーズから摂取しましょう。

●カルシウム●~抜群のカルシウム吸収力~
 カルシウムは骨の形成に不可欠なとても重要なミネラルです。御存知の方も多いようにチーズにはカルシウムが豊富に含まれており、その量は100gあたりでおよそ700mg前後です。魚にも多くのカルシウムが含まれますが、その体内への吸収率が約30%なのに対し、チーズの場合は40~80%もあります。これも良質のタンパク質と結合しているおかげで、チーズは無駄なくカルシウム補給ができ、カルシウム不足といわれる日本人に最適な食品です。

牛乳の苦手な人も大丈夫
 牛乳を飲むとおなかがごろごろするという方も、チーズなら大丈夫!おなかの調子が悪くなるのは牛乳に含まれる乳糖という成分を分解する酵素の分泌量が少ないため、消化がうまくいかないからです。この乳糖はチーズの製造途中で水分と共に排出され、残ったものも熟成する間に分解されていきます。なのでチーズにはほとんど乳糖が含まれておらず、安心して食べることができます。

育ち盛りのお子様、妊婦さん、高齢者をはじめ全ての方の栄養補給に
 このように、チーズは栄養バランスの取れた非常に優れた食品です。たっぷりの栄養が必要な育ち盛りのお子様や妊婦の方、骨粗しょう症の気になる高齢者の方をはじめ、全ての方々の栄養補給に最適の食品です。

*注意*
 これだけ栄養バランスの優れたチーズですが、人にとって必要な栄養素のうち、ビタミンCと食物繊維は残念ながらチーズには含まれていません。この2つを多く含む食品(野菜、果物等)と同時に摂取することによってチーズは無敵の食品となります。

世界No.1フランスの消費量は日本の10倍以上
 日本でのチーズの消費量は年々増えていますが、海外では日本よりもはるかに多くの量が食べられています。日本人は1人当たり年間約2kgチーズを消費していると言われていますが、アメリカやヨーロッパではその何倍ものチーズを消費しています。消費量第1位のフランスでは1人当たり年間約24kg(日本の12倍)、第2位のイタリアでは同20kg(日本の10倍)、アメリカでは14kg(日本の7倍)です。日本人はまだまだチーズ消費量が少なく、もっとたくさんチーズを食べて必要な栄養をとるべきだと言えるでしょう。